為替相場の予想はチャートが元になる

価格レンジの予想についてはすべてチャートを元にする

顧客向けにその時々の相場見通しを公開していらっしゃいます。そうしたシナリオを構築する際のポイントについて伺っていきたいと思うのですが、まず、1日のレンジを予想する場合は、どういう流れで行なうのですか?

 

やっていることは、現役時代から同じスタンスで続けていることなんです。私の場合、レンジ予想の立て方については、すべてチャートありきです。まず、前日の24時間を5分足で眺めます。昨日の朝のオープンからニューヨーククローズまでのチャートをチェックしています。ただし、私が見ているのは、インターバンクの出会いレートといって、銀行間同士で実際に売り買いが成立したレートのことです。個人投資家の方が通常、ご覧になられている為替のチャートは、ビットレートで表示しているケースが多いと思いますので、精度が異なっています。もちろん、差は1銭、2銭程度でしかないので、チャートを見るうえではそんなに問題はないのですが、私の場合、相場の転換点などを知るのにポイント&フィギュアというテクニカル分析指標を用いているため、それこそ1銭、2銭の違いで○や×の並び方が変わってくるということで、インター、、パンクでの出会いレートを知ること、が重要なんです。

 

次に時間足。これで10日分くらいをチェックして、日足で3か月から半年くらいの値動きを見るのですが、日足については普通のローソク足に一目均衡表や移動平均、。勺フボリックなどを重ねて見るようにしています。

 

なるほど。

 

ローソク足の、週足、日足、時間足、分足などの使い分けのポイントについて伺えますか?

 

まず日足ですが、9日、21日、90日、200日という4つの移動平均線に、一目均衡表、。勺フボリック、25日のボリンジャーバンドを重ねていきます。オシレーター系のテクニカルを用いていないことに気づかれると思いますが、基本的に、日足のチャートを見る場合は、1か月〜数か月程度の大きなトレントを把握したいということが前提ですから、用いるのはトレント系のテクニカル分析指標だけで十分です。

 

時間足については、I週間のなかで何度かトレードをするようなスタンスなら必要です。通常のデイトレなら5分足を用いると良いでしょう。そして、それ以上に短い時間軸のローソク足、たとえば1分足やディックチャートなどがそれですが、これを見てティールをするのはあまりに煩雑すぎると思います。私は現在、スキャルピングのように、90円50銭を売って90円48銭を買うといったぷフなトレードをしているわけではないので、1分足やディックチャートを見る必要はないのです。

 

相場の流れから「ポジションの傾き」を読むストラテジーを立てていく場合、どのような手順を踏まれるのですか?

 

まずは以上のようにチャートを調べてレンジを把握したら、次は政策当局者の発言や経済指標をチェックします。要は、なぜレートが動いたのかという原因を探っていくのです。経済指標で動いたのか、発言で動いたのか、あるいはマーケットのポジションの傾きで動いたのか。ここを見極めるためです。

 

「ポジションの傾き」というのは、投機筋が自己のポジションとして買いか売りかのポジションをつくっていた場合、思惑と反対に動いたときにそのポジションを損切りすることで相場が大きく動いたのかどうかをチェックするということです。次に、日足でトレンドを確認します。そして今日は、まだトレントとしては買いなのか、それとも売りなのかを判断します。仮に下がっていたとしても、それは単なるアヤで、また元の上昇トレンドに戻っていくというケースも考えられますし、すでに下降トレンドに入っていて、そのトレンドに沿って売っていかなければならないという可能性もあります。

 

トレンドを確認する際にも、とくに大事にしているのが、トレーディング玉のポジションの傾きです。たとえば、みなが売ってしまったとしましょう。売ったことによってマーケットはショートになっています。ショートが残っているから、ここから大きく下げることはないと考えることができますし、逆に上がっていったら、ショートポジションをもっている連中は、損切りのために買い戻してきます。そのイメージがあれば、大きなトレントは売りだったとしても、昨日つくったショートポジションがまだソンビのように死にきれずに残っているから、どこかのレベルを超えたときにその損切りが出てきて上がるだろうなといったことがわかるです。

 

一例として、9月29日に立てた売買方針を見てみましょう。「米ドル円は89円70銭を買い、90円30銭で売り、損切りレベルは89円ちょうど」という方針を公開しています。おそらく90円を超えてきたら、ストップロスの買いが出てくるかなと考えていたので、ここを売りのメドにしていたのです。

 

なぜなら、この前日のマーケットでは、高値が89円78銭だったので、90円に乗っかること自体が損切りをつけることになると考えたからです。もし、90円でストップが出るような場合には90円30銭レベルくらいまで跳ねるケースも多いので、90円30銭が売りメドになるのです。なお、オーダーが置かれるのはインター、、パンクでは50銭刻みが多いので、90円50銭をつけてくれば、今度は新規の売りが出てきますから、ここからさらに上に行くのは、非常にむずかしくなると考えられます。

 

外国為替市場の参加者には、実需筋と投機筋がいます。実需筋は、基本的に日本の場合、輸出は外貨の売り、輸入は外貨の買いになりますが、トレーディングはしません。したがって、買い過ぎたり売り過ぎたりすることがありません。一方、投機筋というのは買わなくても良いところを買っていたり、売らなくても良いところを売っていたりします。ですから、必ずポジションをつくった後、反対売買をしなければならないという状況になります。だから、ポジションの傾きを把握することが大事になってくるのです。

 

シナリオは状況によって変化する

そうやってシナリオを考えたら、あとはそのとおりの売買を行なうのですか??

 

いいえ。。実際にこの日、どのような結果になったのかというと、朝方、早いうちなら89円70銭で注文を入れることもできたと思うのですが、このコメントを書いた時点では、すでに米ドルが上がってしまっていたので、このレベルでの買いはできなくなりました。で、夕方下がってきたとき、89円70銭でとりあえず買ってみました。その後、19時ぐらいのときのレートは89円80銭。10銭幅しか抜けていませんでした。しかし、どうも上値が重いということになれば、この時点で利食ってしまえばよいのです。それでも10銭幅を抜くことはできます。

 

レンジというものをイメージしてストラテジーを立てますが、ストラテジーにあった値動きをしてくれることは少ないですし、一度立てたストラテジーでも、その通りに必ず動くという保証はありません。「いつどういう形でその価格位置にきたのか」によって、エントリーの方針が中止になったりするなど、状況の変化に柔軟に対応することが必要です。

 

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1銭、2銭を惜しむような注文はうまくいかないことが多い

実際にエントリーするところでの注意点はありますか?

 

たとえば、もみ合っている最中に上がると思ったら、その場ですぐに買うことが大事です。これは個人の方がよく犯してしまいがちなミスなのですが、少しでも安いレートで買おうと考えて、下がってきたらもっと深い押し目を待つヶIスがあるようです。しかし、思ったところで買える場合は少なく、過去の私の経験からいっても、うまくいったためしがありません。いずれにしてもドルが上がるほうに賭けるのですから、押し目を待って1銭、2銭安く買ったとしても、大して意味はないのです。それよりも、とにかくポジションをもつということを優先させてください。

 

次にイグジットする場合ですが、ここでもまず自分が想定したレートで指しておき、それが付かなかった場合には、成り行きで売ることですね。たとえば、90円50銭で売りが成立しなかったからといって、売り指値を90円45銭、90円40銭というように下げていくようなやり方は、やはりうまくいかないケースが大半ですから。